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常陽新聞における東海第二発電所の原子炉建屋6階のボックス壁(※)に関する記事について

※:東海第二発電所では原子炉建屋の6階の外壁を指す。


2012年3月27日

 

平成24年3月24日の常陽新聞において、東海第二発電所の原子炉建屋6階のボックス壁に関する記事が掲載されていますが、その記事の中に、一部事実と異なる記載が見受けられます。本件に関する当社の見解は以下のとおりです。


① 「6階のボックス壁に、低周波の一部で特に影響を受けやすい場所などの弱点があることが23日までに、東日本大震災を踏まえた原子力安全・保安院の3次元動的非線形シミュレーション解析結果で分かった。」とありますが、本シミュレーション解析は当社が実施しており、1月30日の原子力安全・保安院の意見聴取会にてご審議いただいているものです。 また、掲載されている解析結果は、地震計が設置されている床面位置とその他の床面位置での揺れの比較を行うことにより、壁の揺れの影響を受け易い床面の場所及び周波数帯を示した内容であり、西側の壁中央部近傍の床面が比較的高周波の7~10ヘルツにて影響を受けていることを示していますが、ボックス壁の弱点を示したものでありません。


② 「6階ボックス壁の面外振動のモード変形が表れ、壁の面外振動の影響を受けやすい場所が存在すると評価された。東南方向の面的振動が特に大きい場所として指摘された。9.61ヘルツではボックス壁が大きく波打ち、崩れ落ちそうな様子が解析されている。」とありますが、掲載されているモード変形図は、6階のボックス壁の固有振動数(9.61ヘルツ)に対する応答特性を表現したものであり、地震時の変形の大きさではありません。記事では「崩れ落ちそうな様子が解析されている。」と記載されていますが、今回の地震による建屋の応答解析結果は、当初の弾性設計による応答値を下回っており、原子炉建屋の健全性は保たれています。

【参考】:建築物・構造に関する意見聴取会(第7回)平成24年1月30日
東海第二発電所はぎとり波を用いたシミュレーション解析結果(水平・鉛直)
http://www.nsr.go.jp/archive/nisa/shingikai/800/25/007/7-3.pdf


③ 「従来は6階部分は揺れが大きくても、危険性は低いとして、あまり注目されてこなかった。」とありますが、原子力発電所の施設はそれぞれの安全重要度を考慮した設計が実施されており、原子炉建屋及び燃料プールについても耐震安全上重要な施設(耐震Sクラス)に位置づけられていますので、「危険性が低いとして注目してこなかった」という事実はありません。また、原子炉建屋の大型クレーンについても、使用済み燃料への波及的影響(落下防止)を確認することが求められています。 (根拠:JEAC4601-2008:耐震重要度分類)


④ 「東海第2原発も震災時には同プールの水位が約20センチ低下するなどの影響があった。ボックス壁が崩れると同プールがむき出しになる。ひび割れなどが発生すると、福島第一の4号機状態になる可能性も否定できないことになる。」とありますが、プール水位が低下した原因は、地震によりプール水が揺動(スロッシング)し、プール外に流出した影響によるものです。 また、今回の地震による原子炉建屋の健全性は、ボックス壁及び燃料プール壁含めて確認がなされています。更に、燃料プール壁の内側には、ステンレス鋼による内張り(ライニング)が施されているため、仮に壁面に歪が生じた場合でも追従可能な構造となっています。


⑤ 「原子炉建屋のボックス壁は非常に薄い。クレーンは使用済燃料をつり上げるもので(中略)これが被害を受ける可能性もある」とありますが、原子炉建屋6階の大型クレーンは、ボックス壁に支持されているものではなく、原子炉建屋の大きな柱と梁により支持されています。 また、当該大型クレーンは、使用済燃料輸送キャスク等の移動に使用するもので、使用済燃料を直接つり上げるものではありません。

以上

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