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事業概要Outline of business

(2025年3月31日現在)

事業の経過及びその成果 

近年の国際エネルギー情勢の不透明性や地政学的な緊迫化からエネルギー安全保障の重要性が高まっていることに加え、国内ではデジタルトランスフォーメーションやグリーントランスフォーメーションの進展による電力需要増加が見込まれる状況となっています。気候変動問題対策への関心の更なる高まりを受けた脱炭素化の観点では、大規模かつ安定供給が可能な脱炭素電源として、原子力発電の存在感や期待が我が国を始め多くの国々で高まっています。本年2月に策定された第7次エネルギー基本計画においても、原子力発電が再生可能エネルギーとともに「最大限活用する」ものとして位置づけられました。

 

このような状況の中、当社の既設発電所はすべて停止しており当社の経営環境は依然として厳しい状況にあるため、原子力事業を取り巻く環境の変化を見極めつつ当年度においても引き続き事業基盤や経営基盤の充実・強化等、経営改革の取組みを進めてまいりました。

 

当年度の収支につきましては、電気事業営業収益1,085億92百万円、これに財務収益等5億72百万円を加え、経常収益合計は1,091億64百万円となり、支出面では、業務各般にわたる徹底した合理化、効率化の推進による諸経費の縮減に努めました結果、経常費用合計は1,077億84百万円となりました。以上により、経常利益は13億80百万円となり、特別利益及び特別損失の計上並びに法人税等控除後の当期純利益は36億15百万円となりました。

 

当社は、既設発電所の稼働を目指し東海第二発電所の安全性向上対策工事を着実に進めるとともに、新規制基準適合性に係る同発電所の特定重大事故等対処施設の審査及び敦賀発電所2号機の審査等への対応をそれぞれ進めてまいりました。さらに廃止措置事業、福島第一原子力発電所廃炉協力、福井県の嶺南Eコースト計画における原子力リサイクルビジネスへの協力についても適切に対応してまいりました。

 

これらの対応においては、安全第一を事業運営の礎とした上で原子力の自主的かつ継続的な安全性向上への取組みを経営トップのコミットメントの下で進めるとともに、地域の皆様を始めとする関係者の方々にご理解いただき信頼関係を一層強化するための諸活動についても積極的に推進してまいりました。

 

東海第二発電所につきましては、受電会社の資金的協力の下、安全性向上対策工事を進めております。本工事については防潮堤設置工事において地中連続壁部の壁面の一部にコンクリートの未充填及び鉄筋の変形を確認したことへの対応及びその他の工事の進捗状況等を踏まえ、特定重大事故等対処施設を含めた工事終了時期を2026年12月に変更いたしました。前述の事象についての調査結果を踏まえた防潮堤の構造の変更に係る設計及び工事計画の変更認可申請を行い、現在原子力規制委員会の審査を受けております。審査に適切に対応するとともに工事を着実に進めてまいります。

 

また、東海第二発電所において2022年度以降火災が複数回発生したこと及び本年2月に中央制御室内で火災が発生したことを重く受け止め、外部の専門家からのご意見を踏まえて再発防止対策を取りまとめの上、安全管理を徹底してまいります。

 

茨城県や東海村を始めとする各自治体に対しては、原子力所在地域首長懇談会を構成する6市村による発電所の工事現場視察等を通じて安全性向上対策工事に係る状況説明を行うとともに、自治体の避難計画の公表に向けた事業者としての対応や避難退域時検査に関する訓練等を継続的に実施してまいりました。当年度は新たに大洗町において避難計画が公表され、計画公表対象の14市町村のうち公表した自治体は計8市町村となりました。さらに、地域の皆様にご理解いただくため、対話形式による東海第二発電所の状況説明会及び東海村を含むPAZ圏(発電所から概ね半径5km圏)の全戸を対象とした訪問対話活動等を実施いたしました。また、2021年3月の水戸地方裁判所における東海第二発電所の運転差止請求を認容する判決につきましては、控訴審において取り消していただけるよう全力を尽くしております。

 

敦賀発電所2号機につきましては、敷地内破砕帯の審査への対応を進めていたものの、昨年11月の原子力規制委員会において当社の設置変更許可申請に対して許可をしないことが決定されました。株主の皆様に大変なご心配をおかけしておりますことを心よりお詫び申し上げます。本決定を踏まえ、設置変更許可の再申請に必要な追加調査の内容について社外の専門家の意見も踏まえながら検討を進めてきたところであり、引き続き敦賀発電所2号機の設置変更許可の再申請に向けて取り組んでまいります。

 

敦賀発電所3,4号機につきましては、革新軽水炉を含む次世代革新炉への建替えの具体化を進めていくとされた第7次エネルギー基本計画や、原子力規制委員会と事業者の間の建替原子炉に関する技術要件の議論の状況を踏まえ、国のエネルギー政策や安全規制の動向を注視しながら、より一層安全性の高いプラントの実現を目指し検討を進めております。

 

福島第一原子力発電所廃炉への協力につきましては、我が国の原子力発電を今後も推進していくため福島第一原子力発電所の安定化が重要との認識の下、積極的に協力してまいりました。

 

東海発電所の廃止措置につきましては、原子炉領域の安全貯蔵に加え熱交換器本体等の原子炉領域以外の解体撤去工事を継続している中、当年度におきましては工事で設定した一時汚染管理区域の継続管理を実施しております。東海発電所から発生する低レベル放射性廃棄物のうち放射能レベルが極めて低いもの(L3)の埋設施設の設置に係る第二種廃棄物埋設事業許可取得のための審査に対し、的確に対応いたしました。敦賀発電所1号機の廃止措置につきましては、解体工事を継続しており、当年度におきましては建屋内廃棄物移送ルート等の確保に伴う機器解体工事を実施しております。他社プラントの廃止措置につきましては、これまでの廃止措置において培ってきた経験を活かし技術支援を実施してまいりました。また、福井県の嶺南Eコースト計画における原子力リサイクルビジネス等に対し積極的に協力しているところであり、今後は本事業の実現に向け、出資や人員派遣、当社所有地の提供を通じて積極的に参画してまいります。

 

原子力緊急事態支援組織につきましては、夜間休祭日も含めて出動態勢を維持するとともに、協定事業者の原子力防災要員に対する操作訓練等を継続して実施しております。また、国主催の原子力総合防災訓練において自衛隊及び事業者と連携し、支援資機材の搬送・操作訓練を実施いたしました。

 

リサイクル燃料貯蔵株式会社が青森県むつ市で実施しております使用済燃料の中間貯蔵事業につきましては、昨年 11月に同社のリサイクル燃料備蓄センターが事業開始となりました。当社としては、同社が安全を最優先に事業を進められるよう引き続き支援を行っております。

 

原子燃料サイクルにつきましては、日本原燃株式会社が使用済燃料再処理・廃炉推進機構から受託して進める再処理等の事業について同社により新規制基準適合性審査への対応が進められており、当社は電力各社と協調して協力を継続しております。高速炉の開発につきましては、高速炉実証炉等の研究開発を統括するため日本原子力研究開発機構に設置された「高速炉サイクルプロジェクト推進室」へ人員を派遣するとともに、電気事業者としての協力を実施しております。


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