2009年度東海・東海第二発電所からのお知らせ
東海第二発電所
起動領域モニタチャンネル(D)指示不良について
東海第二発電所(沸騰水型軽水炉、定格電気出力110万キロワット)は、タービン油関連機器等の点検に伴う原子炉停止中において、8月11日12時48分頃、原子炉再循環流量に係わる中性子計装系の定期試験を開始したところ、起動領域モニタ*1チャンネル(D)の指示値が上昇したことを確認しました。このため、当該モニタ(D)の指示値の信頼性が確認できないことから、同日12時55分、保安規定第27条2項に基づき、「運転上の制限」*2からの逸脱を宣言しました。
なお、起動領域モニタは、各系列において1チャンネルのみバイパス*3することが許容されているため、同日13時17分、当該モニタをバイパスし、保安規定の運転上の制限の逸脱から復帰しました。
その後、原因調査を行った結果、原子炉再循環流量フローユニット*4「D」の電源ユニットからノイズが発生し、起動領域モニタチャンネル(D)の指示に影響を与えることが判明しました。このため、当該電源ユニットを予備品に交換するとともに、起動領域モニタチャンネル(D)のノイズカットするレベルについても調整を行い、再現試験において事象発生のないことを確認した上で、8月14日22時53分に起動領域モニタ(D)のバイパスを解除しました。
なお、本事象による外部への放射性物質の影響はありません。
この情報は、原子力施設情報公開ライブラリーNUCIA(ニューシア)に登録しましたのでご覧ください。
- *1
- 起動領域モニタ(SRNM)
原子炉の停止中および低出力運転時に中性子の量を測定する装置。検出器は8チャンネル(A,B,C,D,E,F,G,H)あり、1系列4チャンネルずつで2系列に分かれている。 - *2
- 運転上の制限
保安規定では原子炉の運転に関し、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合に要求される措置」等が定められており、運転上の制限を満足しない場合には、要求される措置にもとづき対応することになっている。 - *3
- バイパス
モニタを点検するために、制御回路から切り離す機能。 - *4
- 原子炉再循環流量フローユニット
フローユニットはA,B,C,Dの4チャンネルあり、原子炉再循環ループ流量信号を受け、出力領域計装での制御棒の引き抜き阻止および原子炉保護系トリップ設定値等のための基準信号を供給する。
(2009年8月18日記載)
(2009年9月 2日更新)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。