2010年度東海・東海第二発電所からのお知らせ
東海第二発電所
残留熱除去系海水系(B)の流量低下に伴う運転上の制限の逸脱について
東海第二発電所(沸騰水型軽水炉、定格電気出力 110万キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、6月17日(木)、残留熱除去系海水系*1(B系)ポンプの定期試験を実施していた際、ポンプ2 台運転時において定格流量を僅かに下回っていることを確認しました。そのため、保安規定に定める残留熱除去系海水系の機能が健全であることを確認できない と判断し、同日15時41分に運転上の制限*2からの逸脱を宣言するとともに、保安規定で要求されている必要な措置*3を講じました。
その後、当該ポンプの分解点検を含め、詳細な点検を行っており、原因調査を継続しています。
なお、本事象による外部への放射性物質の放出はなく、環境への影響はありません。
- *1
- 残留熱除去系海水系
原子炉を停止した後に冷却(燃料の崩壊熱の除去)を行います。この時、熱交換器を使用しますが、冷却水として海水を用いています。 - *2
- 運転上の制限
保安規定で定める運転上の制限とは、この範囲内で運転していれば十分に安全を確保できる設備の機能的能力又は性能水準を示したものです。運転上の制限を 満足していない状態(運転上の制限を逸脱)になったというだけで直ちに安全上の重大な問題を生じていることを意味するものではありません。 - *3
- 必要な措置
他の海水系の1系列(A系)が動作可能であることを確認すること。なお、他の海水系1系列が動作可能であることを確認できない場合、又は10日間以内に 復旧できない場合は、24時間以内に原子炉を高温停止しなければならない。
添付資料:残留熱除去系海水系(B系)概略図
(2010年6月25日記載)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。