2010年度東海・東海第二発電所からのお知らせ
東海第二発電所
タービン建屋 所内ボイラ室における油漏えいについて
東海第二発電所(沸騰水型軽水炉、定格電気出力110万キロワット)は、運転停止中のところ、所内ボイラ*1重油移送ポンプ出口圧力計点検作業後の計器漏えい確認作業において、7月28日17時20分頃、タービン建屋1階所内ボイラ室内(管理区域)のサービスタンク(燃料油貯油用:容量1,900リットル)上部からボイラ燃料用の油(A重油)の漏えいがありました。(漏えい油量は約87リットル。内訳:床面に約69リットル、床ドレンサンプ*2にて回収したもの約18リットル)
このため、17時35分に東海村消防本部へ連絡し現場確認の結果「危険物施設からの油漏えい」に該当すると、判断されました。
その後、21時55分頃にタービン建屋地下1階に滴下した油溜まりを確認しました。 なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
原因としては、漏えい確認試験後に、供給ライン弁(サービスタンク補給電磁弁バイパス弁)の閉止操作のタイミングが明確になっておらず、閉止操作が遅れたことが直接的な原因でした。また、サービスタンクの液位高警報が発報しなかったこと及び所内ボイラ室床面の塗装不良も間接的な原因となりました。
当面の対策としては、人的対策として作業手順の明確化、事例教育の実施及び操作前の打ち合わせにおいて問いかけ確認等を励行します。また、設備的対策として、液位高警報用レベルスイッチの清掃および床面塗装ひび割れ箇所の補修を実施します。
今後は、原因分析を行うと共に、適切な対応を行ってまいります。
- *1
- 所内ボイラ:ボイラで発生した蒸気は
- 放射性廃棄物処理系(廃液濃縮器過熱用)
- タービングランドシールのバックアップ
- 各建屋の空調系(暖房用)
- 屋外タンク、配管の保温用
- *2
- 床ドレンサンプ:
床にこぼれた液体等を床面の目皿より導いて溜める枡。
添付資料:タービン建屋所内ボイラ室概略図
(2010年7月30日記載)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
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- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、産官学で情報共有化することが有益な情報です。