2010年度東海・東海第二発電所からのお知らせ
東海第二発電所
高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機
シリンダ排気温度の指示不良に伴う運転上の制限の逸脱について
東海第二発電所(沸騰水型軽水炉、定格電気出力110万キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、9月22日(水)、高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機*1の定期試験を行なっていた際、ディーゼル発電機シリンダ排気温度*2の一つにふらつき現象(約250℃~約290℃)を確認しました。
なお、他のシリンダ排気温度については、通常運転中の安定した値*3を示していました。
このため、保安規定に定める高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機の機能が健全であることを確認出来ないと判断し、同日11時21分に運転上の制限*4からの逸脱を宣言し、その後必要な措置を講じました。
今後、原因を調査し、詳細な状況が纏まり次第、お知らせいたします。
なお、この事象による外部への放射性物質の放出はなく、環境への影響はありません。
- *1
- 高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電機
高圧炉心スプレイ(High Pressure Core Spray:HPCS)は、非常用炉心冷却系の一つであり、原子炉圧力容器内にある小~大配管破断事故の際に、原子炉に冷却水を供給し、原子炉水位の確保及び燃料の冷却を行う。このHPCSポンプに電源を供給するためのディーゼル発電機である。 - *2
- ディーゼル発電機シリンダ排気温度
ディーゼル機関は4サイクル18気筒(18個のシリンダヘッドの排気温度を各々監視)る。 - *3
- ディーゼル発電機運転中の値
他のシリンダ排気温度は、最低温度305℃、最高温度345℃間で安定した指示値を示しています。 - *4
- 運転上の制限
保安規定で定める運転上の制限とは、この範囲内で運転していれば十分に安全を確保できる設備の機能的能力又は性能水準を示したものです。運転上の制限を満足していない状態(運転上の制限を逸脱)になったというだけで直ちに安全上の重大な問題を生じていることを意味するものではありません。
(2010年9月22日記載)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。