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2008年度敦賀発電所からのお知らせ

敦賀発電所1号機
可燃性ガス濃度制御系の待機除外について(再循環流量調整弁の動作不良)

敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉:定格電気出力35万7千キロワット)は、運転中のところ、2008年4月17日、2系列(A系、B系)ある可燃性ガス濃度制御系1の定期試験において、A系の再循環流量調整弁を全開から全閉にしようとしたところ、中間開度で動作が停止しました。このため、A系の可燃性ガス濃度制御系は保安規定に定める運転上の制限2を満足していないと判断しました。

また、保安規定に基づき、もう一方のB系について、警報等が発報していないことを確認するとともに、動作試験を行い、正常に動作することを確認しました。
なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。

※1
一次冷却材喪失事故が発生した際、原子炉圧力容器から原子炉格納容器内に放出された蒸気(ガス)に含まれる水素を除去するための設備でA系とB系の2系列を備えている。
※2
保安規定では、原子炉運転中は可燃性ガス濃度制御系2系列が動作可能(待機状態)であることが要求されている。1系列が動作不能(待機状態から除外)の場合、他の1系列が動作可能であることを速やかに確認した上で、30日以内に正常な状態に復旧することが求められている。

当該弁は、駆動用モーターにより弁棒が回転動作をするのを、弁棒のネジ部がナット部と噛み合うことで、上下方向(弁の開閉)の動作に変える構造となっています。
原因調査の結果、当該弁の弁棒ネジ部で潤滑剤(グリス)が十分塗布されていない箇所が認められ、採取したグリスからナット部との磨耗によると思われる金属粉が検出されたことから、弁棒とナットのネジ部で潤滑不良が発生していたものと推定されました。
また、トルクレンチを用いて弁棒の回転トルクを測定したところ、弁駆動用モーターのトルクスイッチ作動設定値(50N・m)を超えていたことから、弁動作時の弁棒とナットのネジ部で潤滑不良により弁駆動用モーターに高い駆動トルクが発生し、弁が中間開度で停止したと推定されました。
当該弁では、過去にも動作不良が発生していたことから、毎月の弁動作試験前(弁は全開位置)にグリス注入口からネジ部へのグリス注入を行っていましたが、今回の調査で、弁の位置(弁棒のネジ山の位置)により、ネジ部に十分に注入されていなかったものと推定されました。なお、B系の弁では、定期検査での点検時にグリス注入を行うだけで、過去から動作不良は発生しておらず、今回発生したA系の弁固有の問題と推定されました。
対策として、弁動作試験前に行うネジ部へのグリス注入は、弁棒の位置を中間開度で実施することとし、ネジ部にグリスが十分に注入されるよう、ネジ部から外へ新しいグリスが押し出されることを確認することにしました。
以上の対策を実施した上で、当該弁の動作およびA系の可燃性ガス濃度制御系の健全性試験を行い、問題のないことを確認し、5月2日、運転上の制限内に復帰しました。
なお、当該弁は、過去(2002年6月、2006年5月)にも動作不良を起こしているため、A系、B系とも、11月上旬から開始予定の第32回定期検査時に新品(国産の弁)に取替えます。

添付資料:可燃性ガス濃度制御系概略図

 

このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。

保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。

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