2009年度敦賀発電所からのお知らせ
敦賀発電所1号機
主蒸気圧力制御系の圧力伝送器からの水漏れについて
本事象は、安全協定の異常時報告事象に該当します。
【概要】
2010年1月19日10時頃、運転中のタービン建屋2階(管理区域内)において、巡視点検中の運転員が、タービンに供給している蒸気(主蒸気)の圧力を検出している伝送器から水漏れを発見しました。
このため、当該伝送器の圧力検出配管の元弁を閉止し漏れを停止させました。漏れた水は約2.5リットルで、放射能量は、約3.3×105ベクレルと評価しました。
この事象による運転への影響はなく、環境への放射能の影響はありません。
これまでの調査では、圧力伝送器内で圧力を検出するブルドン管※1の表面にひび割れが認められ、この箇所から漏れが生じていたものと推定しました。現在、ひび割れが発生した原因について調査を行っています。 今後、当該伝送器については、新品に取り替える予定です。
【詳細】
敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉:定格電気出力35万7千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の2010年1月19日10時頃、巡視点検中の運転員が、タービン建屋2階ファンルーム(管理区域内)において、タービンに供給している蒸気(主蒸気)の圧力を測定し電気信号に変換する伝送器3台(A~C)のうち、A系伝送器の収納箱下部から水が滴下し、床面に水たまり(約1m×2m)となっているのを発見しました。
このため、滴下する水を容器で受けるとともに、当該伝送器の圧力検出配管の元弁を閉止しました。その後、12時50分に漏れが停止していることを確認しました。
漏れた水の量は約2.5リットル、放射能量は約3.3×105ベクレルと評価しました。
当該伝送器の信号は、主蒸気の圧力制御※2に用いられていますが、事象発生時の主蒸気圧力等運転パラメータに変化等は認められませんでした。
なお、この伝送器(圧力検出部を含む)は3台あり、このうち1台の信号を選択して制御に用いているため、当該伝送器からの信号は除外した状態とし、他の2台により制御を行っています。
当該伝送器の圧力検出部の漏えい試験を行った結果、ブルドン管からの漏れが確認され、拡大観察の結果、管の表面にひび割れ(約2mm)が認められたことから、この箇所から漏れが生じたものと推定しました。現在、ひび割れが発生した原因について調査を行っています。
今後、当該伝送器については、新品に取り替える予定です。
本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
- ※1
- 圧力計に使われる断面が扁平の金属パイプで渦巻き状になっており、開口部分から測定圧力をかけると、圧力に応じてそのパイプの曲げ率が変化し、先端が変位することを利用して圧力を測っています。
- ※2
- 主蒸気圧力を設定した値(約65kg/cm2)に保つよう、制御装置で伝送器3台の信号のうち1台の信号を選択し、主蒸気加減弁の開度制御を行います。
添付資料:主蒸気圧力制御系概要図
(2010年2月3日記載)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。