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2010年度敦賀発電所からのお知らせ

敦賀発電所1号機 原子炉建屋1階での被水について

概要

停止中の敦賀1号機で6月30日、原子炉建屋1階で制御棒駆動水圧系水圧制御ユニット1(以下「HCU」という。)内の水をドレン配管に排水していたところ、同じドレン配管に接続されている別のHCUの水抜き用ホースが外れ、水が飛散しました。このため運転員および作業員計6名が被水し、床面に約3m×約1mの水(約3リットル、放射能は検出限界未満)が溜まりました。なお、被水した6名の身体に汚染や身体内部への放射性物質の取り込みはありませんでした。

水漏れの原因は、ドレン配管を床ファンネル2に接続せず、排水先がない状態でHCUの水抜き作業を行ったことから、ドレン配管に水圧がかかり、ホースが外れたものと推定しました。当該の床ファンネルは、2007年3月に詰まりぎみであったことから排水禁止にし、ドレン配管を床ファンネルに接続する配管(以下「接続配管」という。) を取外した状態にしていました。今年3月、床ファンネルの清掃が完了したことに伴い排水禁止の解除は行われたものの、接続配管の復旧が行われていなかったことから、排水ができませんでした。

対策として、ドレン配管の接続配管を復旧します。また、排水禁止の解除にあわせて接続配管の復旧が行われなかったことに対し、不具合への対応として複数の作業が実施される場合、不具合管理リストに関連する作業件名を全て記載し、処置漏れがないようにします。

 

詳細

敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉:定格電気出力35万7千キロワット)は、湿分分離器ドレンタンク(A)マンホールからの漏えいに伴う停止中の2010年6月30日9時55分頃、原子炉建屋1階の制御棒駆動水圧系水圧制御ユニット1(以下「HCU」という。)修理後3の漏えい確認のため、窒素補給による排水を実施していたところ、ドレン配管に接続されている他のHCUの水抜き用ホースが外れ、水が飛散し、操作中の運転員4名及び作業を行っていた協力会社作業員2名が体の一部に被水しましたが、測定の結果、身体に汚染や身体内部への放射性物質の取り込みはありませんでした。

また、HCU下部の床面に約3m×約1m(約3リットル、放射能量:検出限界未満)の水溜りが確認され、窒素補給を停止し、漏えいは止まりました。 なお、本事象による周辺環境への影響はありません。

1.推定原因

  • HCU水抜き先のドレン配管が導かれている床ファンネル※2が2007年頃より詰まりぎみであったため、定期検査中においては、ドレン配管にカップラ※4を取付け、仮設ホースまたは仮設配管を取り付けて他の床ファンネルへ排水を実施していましたが、定期検査終了後もこの運用を継続することについて運転員に周知されていませんでした。なお、今年3月に清掃が完了していましたが、カップラは取付けられたままの状態で、本設の接続配管の復旧を行っていませんでした。
  • このため、今回の停止中におけるHCUの窒素補給の際には、ドレン配管に仮設ホースまたは仮設配管を取り付けて排水を行う必要がありましたが、運転員は確認せずに実施していました。

これらのことから、HCUの窒素補給の際、ドレン配管内が加圧され、HCU水抜き用ホースが外れたことが水漏れの原因と推定しました。

1.対策

  • ドレン配管のカップラを本設の接続配管へ復旧します。
  • 不具合への対応として複数の作業が実施される場合、不具合管理リストに関連する作業件名を全て記載し、処置漏れがないようにします。
  • 使用中の床ファンネルに詰まりが発生した場合は、速やかに清掃するように保修部署に依頼するとともに、その対応状況について、定期的に確認していきます。
  • 本来と異なる運用を行う場合は、適用期間や運用方法などを明確にし、運転員へ周知を行うとともにその旨を社内規程に反映します。
  • 今回の事例および排水時にドレン配管から排水先が確保されていることを確認することについて運転員に周知し再発防止を図ります。

添付資料:原子炉建屋1階での被水状況

※1
御棒駆動水圧系水圧制御ユニットは、制御棒駆動機構1本につき1個の水圧制御ユニットがあり、敦賀発電所1号機には73個の水圧制御ユニットがある。水圧制御ユニットの構成は、制御棒の挿入や引抜き、スクラム動作に必要な弁、及びスクラムの際、制御棒の緊急挿入に必要な初期水圧エネルギを供給するためのアキュムレータ(窒素ガスや水のタンク)等で構成される。
※2
建屋床面に設置されている清掃水などを流す排水口。
※3
HCU窒素ガスタンクの上部保持金具ねじ込み部からの窒素微少な漏れを修理。
※4
仮設ホース等を取付けないと水が流れない配管接続冶具。

(2010年7月5日掲載)

 

このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。

保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。

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