2010年度敦賀発電所からのお知らせ
敦賀発電所1号機 高圧注水系の運転上の制限の逸脱について
(高圧注水系ディーゼル駆動ポンプ手動起動試験における自動停止)
【概要】
運転中の敦賀発電所1号機において、2011年1月12日、1ヶ月に1回の頻度で実施している高圧注水系※1のディーゼル駆動ポンプ手動起動試験のため、ディーゼル機関の起動操作を行なったところ、「START FAILURE」警報※2が発報し自動停止しました。
このため、14時07分に保安規定の運転上の制限※3を満足していないと判断しました。
【詳細】
敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉:定格電気出力35万7千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の1月12日、1ヶ月に1回の頻度で実施している高圧注水系※1のディーゼル駆動ポンプ手動起動試験のために、同ディーゼル駆動ポンプの起動操作を行なったところ、ディーゼル機関の回転数が上がらない事を示す 「START FAILURE」警報※2が発報し自動停止しました。このため、14時07分に保安規定の運転上の制限※3を満足していないと判断しました。
なお、当該設備が待機除外中は、保安規定に従い、自動減圧系、非常用復水器系の健全性確認を実施しております。
現場を確認したところ、通常「閉」状態であるシリンダー排気手動弁16個が全て「開」状態であることを確認しました。
現在、高圧注水系ディーゼル駆動ポンプが自動停止した原因について調査中です。
今回の事象において、プラントの運転状態および周辺環境への影響はありません。
- ※1
- :高圧注水系 原子炉水位低下時、原子炉に冷却水を注入する非常用炉心冷却設備の1つであり、原子炉が通常運転中は待機状態にある。
- ※2
- :START FAILURE警報 起動信号投入15秒以内にディーゼル機関の回転速度200rpmを越えない場合に発報
- ※3
- 保安規定の運転上の制限 多重の安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数が定められているもの。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に修理等を行うことが求められる。なお、定められた時間内に当該機器を復旧させるか、または出力低下などの予め定められた措置を講ずれば、保安規定違反に該当するものではない。
添付資料:敦賀発電所1号機 高圧注水系概略系統図
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。