2010年度敦賀発電所からのお知らせ
敦賀発電所1号機 高圧注水系の運転上の制限逸脱からの復帰について
(高圧注水系ディーゼル駆動ポンプ手動起動試験における自動停止)
【概要】
運転中の敦賀発電所1号機において、2011年1月12日、1ヶ月に1回の頻度で実施している高圧注水系※1のディーゼル駆動ポンプ手動起動試験のため、ディーゼル機関(以下「当該機関」という。)の起動操作を行なったところ、「START FAILURE」警報※2が発報し自動停止しました。 このため、14時07分に保安規定の運転上の制限※3を満足していないと判断しました。(2011年1月12日お知らせ済み)
その後、当該機関等の外観点検を行い、シリンダー排気手動弁(以下、「当該弁」という。)以外に異常はなく、当該機関が自動停止した原因は、当該弁が「開」となっていたことにより、シリンダー内で燃料と空気の混合ガスの一部が排出され、混合ガスの圧縮がされず、十分な燃焼ができなかったことから、回転速度を上昇させるのに必要な混合ガスの燃焼が得られなかったものと推定しました。
このため、当該弁を全て「閉」として再度試験を実施し、運転状態に異常がないことを確認したことから、22時37分に運転上の制限の逸脱から復帰しました。
なお、手動起動試験時、当該弁16個が全て「開」状態であった原因については、現在、調査中です。
【詳細】
敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉:定格電気出力35万7千キロワット)は、定格熱出力一定運転中の1月12日、1ヶ月に1回の頻度で実施している高圧注水系※1のディーゼル駆動ポンプ手動起動試験のために、ディーゼル駆動ポンプの起動操作を行なったところ、ディーゼル機関(以下「当該機関」という。)の回転数が上がらない事を示す 「START FAILURE」警報※2が発報し自動停止しました。このため、14時07分に保安規定の運転上の制限※3を満足していないと判断しました。
なお、当該設備が待機除外中は、保安規定に従い、自動減圧系、非常用復水器系の健全性確認を実施しております。
現場を確認したところ、通常「閉」状態であるシリンダー排気手動弁16個(以下、「当該弁」という。)が全て「開」状態であることを確認しました。
現在、高圧注水系ディーゼル駆動ポンプが自動停止した原因について調査中です。
今回の事象において、プラントの運転状態および周辺環境への影響はありません。 (2011年1月12日お知らせ済み)
その後、当該機関等の外観点検を実施し、当該弁以外に異常はなく、自動停止した原因は、当該弁が「開」であったことにより、起動操作に伴い当該機関のシリンダー内に供給された燃料と空気の混合ガスの一部が排出され、混合ガスが十分に圧縮されなかったため、当該機関の回転数を上昇させるのに必要な混合ガスの燃焼が得られなかったものと推定しました。
このため、当該弁を全て「閉」として、20時43分に再度試験を実施し、運転状態に異常がないことを確認したことから、22時37分に高圧注水系を待機状態にするとともに運転上の制限の逸脱から復帰しました。
なお、手動起動試験時、当該弁が全て「開」状態であった原因については、現在、調査中です。
- ※1
- :高圧注水系
原子炉水位低下時、原子炉に冷却水を注入する非常用炉心冷却設備の1つであり、原子炉が通常運転中は待機状態にある。
- ※2
- :START FAILURE警報
起動信号投入15秒以内にディーゼル機関の回転速度200rpmを越えない場合に発報
- ※3
- 保安規定の運転上の制限
多重の安全機能を確保するため、予備も含めて動作可能な機器(ポンプ等)の必要台数が定められているもの。一時的にこれを満足しない状態が発生すると、運転上の制限からの逸脱を宣言し、予め定められた時間内に修理等を行うことが求められる。なお、定められた時間内に当該機器を復旧させるか、または出力低下などの予め定められた措置を講ずれば、保安規定違反に該当するものではない。
添付資料:敦賀発電所1号機 高圧注水系の運転上の制限の逸脱について
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、産官学で情報共有化することが有益な情報です。