2011年度敦賀発電所からのお知らせ
敦賀発電所2号機 作業員の放射性物質の体内への取り込みについて
敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉:定格電気出力116万キロワット)は、第18回定期検査中の平成23年10月19日、原子炉建屋地下2階点検エリア内(管理区域)にて一次系弁点検工事にて弁の手入れ作業を行っていた作業員1名に放射性物質による身体汚染が確認※1されたため、ホールボディーカウンター※2測定を実施したところ、放射性物質の内部取り込みの疑いがあることがわかりました。
このため、本日、当該作業員について再測定※3を実施したところ、放射性物質を内部取り込みしたことが判明しました。
今回の事象により今後50年間に受ける放射線の量は、現時点での暫定評価では、1.7ミリシーベルト(本日の午前中ホールボディーカウンターでの暫定値)と有意な値※4を下回っています。引き続き再測定を行い詳細に評価※5し、放射線量を確定します。
なお、医師による診察では、異常がないことを確認しております。
原因は、他作業エリアで発生した汚染廃棄物の入ったゴミ袋が、当該作業エリアに封がされていない状態で仮置きされており、当該作業員が作業により発生した廃棄物をそのゴミ袋に詰めた際に袋内面に手が接触したため、汚染が付着し、その後、無意識に顔を拭ったことで顔面に付着した放射性物質を体内へ取り込んだものと推定しました。
対策として、汚染廃棄物の入ったゴミ袋を運搬する場合は、袋の封を必ず行い、汚染拡大防止を図るよう社内規程に反映します。また、今回の事象を所員・協力会社社員に周知し、対策の徹底を図ります。
なお、本事象による周辺環境への放射能の影響はありません。
※1 放射性物質の付着の管理(法令に定める表面密度限度)
管理区域から人が退去する際の身体表面の密度限度は4Bq/cm2であり、これを超えることのないよう放射性物質の付着があった場合に体表面モニタで警報(1.1Bq/cm2)を発報させ、管理している。
※2 ホールボディーカウンター
体内に取り込まれた放射性物質を外部から直接測定する装置。
※3 再測定
測定結果が身体表面に付着した放射性物質による可能性もあることから、再度測定を実施した。
※4 有意な値
記録レベルである2ミリシーベルト。
※5 法令に定める線量限度
内部被ばくと外部被ばくの合計値として年間50ミリシーベルト、かつ5年間で100ミリシーベルト。
添付資料:敦賀発電所2号機 作業員の放射性物質の体内への取り込み発生状況
(2011年10月20日掲載)
このページでは、機器の軽度な故障等で、法令の定めでは国への報告の必要がなく、
トラブルとされていない情報(保全品質情報※)等を掲載しています。
なお、定期検査中に発生した事象につきましては、「定期検査状況」に掲載しています。
- ※
- 保全品質情報:国へ報告する必要のない軽微な事象であるが、設備の信頼性を向上させる観点から電力各社はもとより、
産官学で情報共有化することが有益な情報です。