原子燃料サイクル
高レベル放射性廃棄物の処理処分
再処理する工程で高レベル放射性廃棄物が発生します。
原子炉で発電に使用した後の使用済燃料から再利用できるウランやプルトニウムを取り出した後に残った強い放射能を持った物質を高レベル放射性廃棄物と言います。
ガラスと混ぜて安定に処理します。
再処理した後に出る高レベル放射性廃棄物は液体のため、ガラスの原料とともに高温で溶かし混ぜ合わせ、ステンレス容器に入れて固め化学的に安定なガラス固化体とします。 ガラスは、水に溶けにくく、化学的に安定しているため、放射性物質を長期間変化することなく閉じ込めるのに優れています。
生活環境に影響を及ぼさない地層中に処分する予定です。
高レベル放射性廃棄物は、放射能のレベルが高いため、人間の生活環境に影響を及ぼさないよう長期間にわたって確実に隔離する必要があります。 これまでに発生したガラス固化体は、冷却するため、青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設」で30~50年間貯蔵します。 その後、人間の生活環境に影響を及ぼさない、地下300メートルより深い安定した地層中に処分(地層処分)する予定です。 この処分方法は、地下深部の地層が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用したもので、日本を含め国際的にも最も好ましい共通の考え方となっています。
出典:原子力発電環境整備機構
地層処分とは
最終処分地の選定に向けての取り組みが進められています。
高レベル放射性廃棄物の最終処分については、原子燃料サイクルを進めていく上で重要な課題の一つです。2000年6月に「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」が施行され、同年10月に高レベル放射性廃棄物の処分事業をになう原子力発電環境整備機構(NUMO)が設立されました。
2014年4月のエネルギー基本計画において、将来世代に負担を先送りしないよう、現世代の責任として高レベル放射性廃棄物の最終処分について国が全面に立って取り組んでいくことを決めました。
具体的には、法律で定められたプロセスに先立ち、国が高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する地域の科学的特性を示し、国民および関係住民の理解と協力を得る重点的な活動を行ったうえで、複数地域に対して申し入れを行うプロセスを追加しました。
2017年7月、国により、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する「科学的特性マップ」が示されました。本マップは、国の総合資源エネルギー調査会で取りまとめられた考え方に基づき、既存の全国データを一定の要件・基準に従って客観的に整理したうえで、地域の科学的特性を全国地図の形で示したものです。
「科学的特性マップ」(経済産業省資源エネルギー庁公表)については、以下のリンクよりご覧ください。
科学的特性マップ(カラー版)はこちら | ||
科学的特性マップ(白黒版)はこちら |
詳細につきましては、国の特設ページをご覧ください。(外部リンク)