ISO(JISQ)14001規格
国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardisation)から発行中の一連の環境管理システム規格ISO 14000シリーズの1つで、「環境マネージメントシステム-仕様及び利用の手引き」として1996年に発行され、2004年に改正されました。 日本でもこれを翻訳したものが日本工業規格(JISQ14001規格)として1996年10月に制定され、2004年12月に改正されています。
この規格は、地球環境保全には組織の役割が極めて重要であるとの認識から、どのような国の、どのような組織(企業、営業所、工場、事業所、役所、事務所、店舗など)でも適用できる環境管理システムの標準的な仕様(要求事項)を定めたものです。
ISO14001規格は、組織の最高経営層(発電所の場合は発電所長)が、年度始めに自ら環境方針を示し、これに基づき発電所の各部所が具体的な達成計画(PLAN)を立て、これに従って実施及び運用(DO)をする。その状況を点検し必要なら是正措置をとりながら(CHECK)、年度末に発電所長が1年間の活動を見直し(ACTION)、次の年度の環境方針に反映する。いわゆる、P-D-C-Aサイクルを反復・継続するために必要な17項目にわたる50以上の要求事項を定めています。図に規格が要求している環境マネジメントモデルを示します。
これらの要求事項を組織の経営層をはじめ組織のために働く全ての人がそれぞれの役割・分担に従って順守することで(トップダウンによる全員参加の業務処理)、長期にわたる環境管理システムの継続的な改善や汚染の予防を図ることを目的にしています。
さらに組織の環境管理の結果は組織を取巻く利害関係者(一般の方々など)に影響を及ぼすことから、環境方針の公表や利害関係者とのコミュニケーションを求めています。
すなわち、この規格は法令や条例のように個々の環境影響に着目し、それぞれの数値的な規制基準を定めたものではなく、組織の状態に応じた自主的・自発的な取組を促すための環境管理システムの仕様を定め、そのシステムを長期にわたる継続的な改善を要求することで、結果として環境影響の数値的改善(環境パフォーマンスの改善)や環境事故の未然防止を図り、もって地球環境の保全を目指すものです。

ISO(国際標準化機構)
ISOは「物資及びサービスの国際間貿易を容易にし、知的・化学的・技術的及び経済的分野における国際間の協力を助長するために世界的な標準化とその関連活動の発展並びに展開を図る」ことを目的に創設された非政府の国際機関です。
電気・電子分野を除くあらゆる分野の国際規格を発行しており、身近なことろでは、ねじの形(ISOねじ)、写真フィルムの感度、クレジットカードの形状、非常口のマーク、自動車、半導体等の材料及び工程等の技術的(物理的)仕様を定めています。
最近では「品質管理」、「環境管理」、「安全衛生管理」、「個人情報保護管理」といった分野にも対象に広げています。
創設:1947年
本部:スイス ジュネーブ
加盟国と地域: おおよそ140(2001年現在:日本では日本工業標準調査会(JISを審査する経済産業相の諮問機関) が1952年に加盟)
認証の取得
認証を取得したとは、ISO14001規格に定められている要求事項に従い、実際の環境管理が適確になされていることを第3者専門機関(審査登録機関)が文書や記録、発電所員とのインタビュー等で審査し、規格に適合していると判定した場合、環境に配慮している組織として登録証が交付され、公表されることをいいます。
