原子力発電のしくみ
原子炉圧力容器の構造と原子燃料
原子炉圧力容器断面図
軽水炉では、原子炉の中に純水(軽水)が入っています。この水は、原子力発電所を運転する上で大切な2つの役割を果たしています。
- 冷却材:原子炉で発生した熱と、タービンを回すための蒸気となる。
- 減速材:核分裂によって発生した中性子のスピードを落として核分裂しやすくする。
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018
燃料集合体の構造と制御棒
国内の原子力発電所(軽水炉)には主に、ウラン235の割合が3~5%程度に高めた低濃縮ウランが使われています。これを、酸化物(セラミック)にして縦横1cm程度の円柱状に焼き固めた「燃料ペレット」が原子燃料の最小単位です。燃料ペレットを「被覆管」と呼ばれる特殊合金製のサヤに入れたものが「燃料棒」。燃料棒を束ねて「燃料集合体」とし、更にこの燃料集合体を円柱状に配列して、鋼鉄製の「原子炉圧力容器」に入れたものが「原子炉」です。
制御棒は、中性子を吸収しやすい物質で作られており、制御棒を出し入れすることにより原子炉内の中性子の量を調整し、炉心の出力をコントロールします。
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018