放射性廃棄物
高レベル放射性廃棄物の処分
高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の貯蔵概念図
原子力発電所の運転に使用した、使用済燃料の再処理(使用済燃料からまだ使えるウランやプルトニウムを回収する処理)した後に残る、放射能レベルが高い廃棄物を高レベル放射性廃棄物といいます。
国内の原子力発電所で使い終わった使用済燃料の再処理は、国内のほか、イギリスやフランスの工場で行われています。海外の再処理工場で発生した高レベル放射性廃棄物は、現地でガラス固化体化された後、専用の輸送船で返還されます。返還されたガラス固化体は、青森県六ヶ所村に建設された高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで30年~50年間程度貯蔵されることになっています。
高レベル放射性廃棄物をガラスと混ぜるのは、ガラスは水に溶けにくく、熱に対しても安定しているため、放射性物質をしっかり閉じ込めることができるからです。
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018
高レベル放射性廃棄物多重バリアシステム
日本では、貯蔵された高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は最終的に、生活環境から隔離するために地下300メートル以上の深い地層中に処分されることとしています。
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018
高レベル放射性廃棄物処分の取り組み体制
高レベル放射性廃棄物の最終処分については、2002年6月に処分制度の枠組みを定めた「特定放射性廃棄物の処分に関する法律」が公布され、同年10月に実施主体の「原子力発電環境整備機構(NUMO)」が設立されました。
同機構は、高レベル放射性廃棄物の安全・確実な処分に向けて諸活動に取り組み、2002年12月から「最終処分施設の設置可能性を調査する区域」の公募を開始しています。
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018
高レベル放射性廃棄物処分地の選定プロセス
出典:「原子力・エネルギー図面集」2018