原子力発電のしくみ
定格熱出力一定運転
原子力発電所は、ウランなどが核分裂する際に発生した熱で蒸気を作り、その蒸気でタービン・発電機を回して発電し、使った蒸気は海水で冷却して水に戻し再度利用しています。
海水温度が低い冬季には、電気を定格(=100%)よりも多くつくることができますが、これまで国内の原子力発電所では、発電機から取り出す電気出力が定格で一定になるように、原子炉で発生する熱を調整して運転(定格電気出力一定運転)していました。
これに対して、原子炉で発生する熱を一定に保つと、海水温度が低い冬季には、より多くの電気をつくることができるので、発生する電気が増えます。
このように、原子炉で発生する熱を定格で一定に保つ運転方法を「定格熱出力一定運転」といいます。 この運転を行えば、原子力発電所の安全運転を確保しながら、より多くの電気をつくることができ、CO2排出量を増やすことなく発電電力量を増やすことができます。
定格熱出力一定運転
定格電気出力一定運転
出典:「原子力・エネルギー図面集」2014