敦賀発電所敷地内破砕帯問題について

用語集


用  語
説  明
破 砕 帯
岩盤中の割れ目で、熱水の影響などによって周囲の岩盤よりぜい弱になっているもの。古い時代の断層活動などで生じたものも含む。
活 断 層
過去に繰り返し活動し、将来も活動する可能性のある断層。原子力発電所の耐震設計では、後期更新世以降(約12~13万年前以降)での活動が否定できない断層を活断層としている。
露 頭
崖などにおいて、地層・岩石が露出している場所のこと。
耐震設計上考慮する活断層
「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(2006年9月19日原子力安全委員会)における記載。
2013年7月8日施行の「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」では、「後期更新世より新しい年代(12~13万年前以降)の活動が否定できない断層」を含めて「将来活動する可能性のある断層等」と記載されている。
第四紀層
地質時代のひとつで、約260万年前から現在までの期間の地層であり、岩盤の上に堆積。後期更新世以降の地層を含む。
美浜テフラ
福井県美浜町気山の後期更新世気山層から発見された火山灰(美浜テフラ)のこと。
※今回当社の調査で、美浜テフラが約12.7万年前に広範囲に降灰した火山灰であることを確認した。
最終間氷期
約7~13万年前の年代のこと。この年代地層に影響を与えていなければ、当該破砕帯は耐震設計上考慮すべき断層等には該当しない。
MIS
Marine Isotope Stage:海洋酸素同位体ステージ
氷期と間氷期の周期的な繰り返しに数字を付けて整理したもので、新しいものから順に氷期に偶数番号、間氷期に奇数番号を付与している。
ピット調査/ トレンチ調査
地表から地面を開削して、破砕帯と上載地層との関係を調べる調査であり、比較的小規模のものをピット調査、比較的大規模なものをトレンチ調査と呼んでいる。
大深度調査
地表から立坑(鉛直方向のトンネル)を掘削し、必要に応じて横坑(水平方向のトンネル)を掘削し、目的の箇所まで到達する調査方法のこと。
上載地層法
破砕帯を覆う地層(上載地層)の年代を特定することにより、破砕帯の活動時期を判断する方法のこと。
航空レーザー測量
航空機から地上にレーザー光を照射し、地上の標高や地形の形状を精密に調査する測量方法のこと。
DEM
Digital Elevation Model:数値標高モデル
地表の標高をデジタル表現したモデル。地形の立体図(鳥瞰図)の作成や、任意の期間の地形変化(差分)の確認等に使用される。
OSL
Optically Stimulated Luminescence:光ルミネッセンス法
鉱物結晶の蛍光現象を利用し、断層活動の年代を測定する手法のこと。
ESR
Electron Spin Resonance:電子スピン共鳴法
断層内物質のESR信号を利用して、断層活動の年代を測定する手法のこと。
いずれも地面を掘削して、破砕帯と上載地層との関係(ずれているかずれていないか)や上載地層の堆積年代を調べ、上載地層法によって破砕帯の活動時期を調べる調査である。

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